海外サッカーとJリーグの応援 サポーターの違いは文化の違い

Jリーグのサポーターと海外サッカーの観客を比較したとき、もっとも大きな点は「チャント」にあります。Jリーグのサポーターはチャントと呼ばれる応援歌で、選手やチーム全体を鼓舞します。試合中、サポーターが有志で結成した応援団たちが絶え間なくチャントを歌っている姿はスタジアムの代名詞です。一方、海外サッカーでもチャントがないわけではないものの、特別な理由がない限り頻繁に歌われるわけではありません。観客は各々が試合に熱中し、声援を送っています。

次に、「拍手」と「ブーイング」のタイミングもかなり違います。Jリーグでは得点に絡むプレーや豪快なドリブル、シュートなど攻撃的なプレーに対して拍手が送られることが一般的です。それに対して、海外では守備のプレーや、さりげないトラップなどにも拍手が出ます。また、Jリーグでは味方選手へのブーイングが控えめなのに、海外の観客はプレーや態度への不満をわかりやすく示します。味方チームでも容赦ありません。

こうしたサポーターの違いは、サッカーを観戦する能力の差だともいえます。目の肥えた海外のファンは、意識しなくても細かいプレーのすごさを理解しています。そのため、普通の観客でも解説者並みの知識と視野を備えており、試合の展開を深く読んでいるのです。Jリーグのサポーターは戦術を観察するというよりも、大勢で盛り上がるような感覚でスタジアムへと足を運んでいます。ただ、徐々に細かいプレーへと拍手をする場面が増えてきており、サポーターもリーグと一緒に成長を続けているといえます。